2008 - 2 /24
北海道 大荒れ ?
なんだか昨日今日と、北海道は大荒れの天気だったみたいですね~。
その点ぼくなんて気温22度の世界で常春気分ですよ。
いやーヌックヌクだわい。
春を先取り?
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22度の世界ってのはつまり、自宅です。。。
もう昨日の夜から陸の孤島ですよ。
道路が雪で埋まって。
今朝なんて新聞配達の少年が、ウチの前の坂の途中で、
「もう歩けなぁぁいよぅぅぉ~んんぅ」
と雄たけびを上げる声で目が覚めてしまいました。
幻聴かと思いましたよ。
起きてリビングに行くと、なんだか暗い。
もう8時なのに。
カーテンを開けると・・・
家が雪の中に埋まってる!

こりゃイカンと思ったけど降雪は止まっているし、晴れ間も出てきてるようなので、パンを食べてコーヒー飲んで、ブル(ブルドーザー。雪が降ると来てくれる)が来てくれるのを待ってみるものの、昼前になっても気配がないので、完全山装備に身を固め、意を決して「おウチ掘り起こし」のために外に出ました。
完全に雪に呑まれてる。

とりあえず窓のところだけ雪を掻くかってことで飛び込んでみると、「!!!」。
胸より上は雪の上に出てるけど、足が「固いところ」に着いてない。
こりゃ両腕の抵抗で沈まずにすんでるだけだ。
まさか自分ちの庭で胸パフのパウダーと戯れることが出来るとは(遊びじゃないけど)。
掘って掘って掘りまくって、ようやく3枚の窓を掘り起こして家の中に入ったけど、掘り出した雪が壁になったせいで外の景色は雪壁オンリー。
あんまり明るくはなりませんでした。
そして夜になったら、窓の外の雪壁を穿ち、キャンドルをひとつ。
小樽雪あかりの路は終わったけど、ここはぼくだけの雪あかり。

ジオラマ作りは楽しいな。

ブルは夕方やって来て、明日からは普通の生活に戻れそうです。
投稿者 hamayo : 21:16 | コメント (4) | トラックバック
2008 - 2 /16
憧憬 チトカニウシ 壁を越えるということ
チトカニウシ。
それは遠い過去(といってもまだ10年しか経っていないが)、ぼくの中に小さな‘ひっかかり’を残した「憧憬の山」。
スノースクートで遊ぶことに明け暮れていた北見勤務時代、ぼくは毎週のように通いつめていた北大雪スキー場から見える真っ白な三角の山が気になってしょうがなかった。
スキー場からだと真北に見えるその山は互いの位置関係のせいで、晴れた日にはいつも木が生えていない山頂部が白く光っていた。
輝いていたと言ってもいい。
それがチトカニウシ。
どうして突然、ぼくはこの山に登りたくなったのだろう。
ガイド記事を読んだわけでもなければ、しらみつぶしに地図を探したわけでもない。
「兆し」と呼べるようなものは、どこをどう探しても見あたらなかった。
だけどそれはまぎれもなく10年前のあの日、ぼくの中のある場所で産声をあげ、長い間だれの目にも触れることなくひっそりと成長を続けていった。
暗い洞窟の奥で、ひとしずくの水が静かに岩を打つ。
小さな音に気付くものはいなかったが、それは地の底で反響し、共鳴し、振幅を強め、やがて速度を増すと風になって、辺りのものを巻き込みながら洞窟の出口へと走りはじめた。
それは地底湖の水を引き剥がし、不運なコウモリの群れを吹き飛ばし、いくつかの貴重な鍾乳石をなぎ倒し、そのたびに勢いを強めていった。
惑星の重力でスイングバイする探査衛星のように。
あとには真空しか残らないような圧倒的な力を持った風は、長い旅路の果てに出口にたどりつくと突然停止した。
そしてゆっくりと、それはぼくに語りかけた。
「あの山に登るのは、今しかない。」
越えられない壁
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ぼくは今回、目的地を 1258ピークに定めた。
憧れだけで山に登ることはできない。
チトカニウシまで行くかどうかは、そこで判断する。
旭川紋別道が部分開通し、その役目を北大雪トンネルに譲った北見峠は、今や通る車もまばらな寂しい峠です。
チトカニウシ山へのルートはここが起点になります。
北見峠。AM 8:30
この時点では一番乗り、だったはずなのに・・・。

車道脇の雪壁を乗り越えると、二つの峰を越えた向こうに、あのときと同じ白く光るチトカニウシ。
長い一日の始まりです。
再会チトカニウシ。
電波塔ピークからの斜面だけでもじゅうぶん遊べます。

電波塔ピークに登っても、1258ピークとの間にコルがあるため下らなくてはいけません。
体力を温存するために、電波塔直前までは作業道を歩いて、ヘアピンカーブとなるところから向きを真東に変えてコルを目指すルートをとります。
ところが歩き始めてすぐに、作業道は吹き溜まりの海に呑み込まれてしまい、激しく波打ち、もはや道がどこにあるのか判別できないありさまです。
しかたなく尾根通しに913ポコに上がり、尾根の北側に入って雪が少なくなった作業道を見つけ出し、再度下りていきました。
ヘアピンからコルへのトラバースは、有視界であるがためにかえって迷いやすい場所かもしれません。
ヘアピンがある場所は、950ピークから北西に短く伸びる尾根の一角に位置し、北東に延びる主尾根(境界尾根)を尾根であると認識するのが難しいです。
さらに北北東方向の目の前には、主尾根と平行に走る尾根様の盛り上がりが見え、一見するとそれが 1258ピークからまっすぐに降りてきてるように見えるのです。
また、今まで歩いてきたコースからほぼ直角に向きを変えるというのも、感覚的に受け入れづらいために迷いが生じやすいでしょう。
GPSやコンパスと地図を使ってナビゲーションすれば、とりわけ問題なるような場所ではないですが、それらを使ってもなお自分の判断が本当に正しいのか迷いながら、コルがあるはずの場所へ向けてラッセルを開始しました。
徐々に右側から尾根筋が現れて、コルのやや北西に到着。

主尾根はやや急な登りがあるため、さらに北西よりに進み、950m等高線を越えたあたりで主尾根に合流すると、そこにはなんと立派なトレースと先行者の姿が・・・。
今までのラッセルの苦労は何だったんだ。

ぼくが出発したのとほぼ同時刻に、白滝側の駐車場から入山したスノーシューのグループがいたのですが、彼らは分かりやすい尾根筋一直線ルートで登ってきたようです。
見通しの良い平らな尾根を30分くらい歩くと、いよいよ1258ピークへの急な登りが始まります。
始めから傾斜はきついものの、厚めのモナカ雪のおかげでシールを利かせながらぐんぐん高度を上げていきます。
しかし高度1100mをすぎたあたりから、雪質に明らかな変化が現れました。
固く締まった雪面にスキーはまったく沈み込まず、深雪用の巨大バスケットを付けたストックは虚しく表面を引っかくだけです。
直登ではシールが利かず、斜登行とキックターンを何度も繰りかえし、約1時間かけて標高差300mの急坂を登りきりました。
顔を上げると、チトカニウシが真正面に立ちはだかっていました。

登りきったその場所は、1258mの標高点があるだけの、なんの変哲もない丘の上でした。
ぼくが目的地にしていた場所は、ただの雪の丘にすぎなかったのです。
ここはぼくが目指していた場所じゃない。
ここで歩くのをやめるわけにはいかない。
ぼくが立ちたいのは、モンスターの群れの向こうに聳え立つあの白い頂だ。
急坂を登り終え、体中から噴きあがる蒸気が濃紺の空へのぼっていくのを見つめ、息を整えます。
ほんのひとくち水を飲んだぼくは、休憩をとらずに歩き始めました。
1300mを越えると傾斜はきつくなり、さらに悪いことに、雪は千歳の岩のように堅く、シールが滑るようになってきました。
3歩進んで2歩下がるというのはまさしくこのことだなと思ったけど、それでもぼくは止まるわけにいきませんでした。
振りかえると足がすくむ。
後ろを見てはいけない。

1258ピークを出て30分。
ラストワンピッチ。
ついにモンスターが姿を現した。
大きいものだと人の背丈の何倍にも成長する白い化け物は、距離感覚を麻痺させます。

すでに両方のストックを頼らなければ前へ進めないほどに凍りついた雪面。
それはもはや雪なんかじゃなく、白い氷でした。
慎重に踏み出したはずの一歩も、ほんのわずかな氷の突起に足をすくわれて、空しく斜面をずり落ちてしまう。
それでもぼくには、登ることしか考えられませんでした。
今ぼくを動かしているのは、地底湖の水を引き剥がしたあの風です。
あとには真空しか残さないあの風が、意思を持ってぼくを衝き動かしているのです。
最後の最後まで傾斜が緩むことはありませんでした。
疲れ果てて、足元だけを見て登っていたぼくは、急に正面から風が吹いてきたことで、もう山頂は目の前にあることに気が付きました。
12:08。
もうこれ以上登らなくていい。

これより先に高みはない。
すべてはぼくの足の下にある。
この瞬間と交換可能な価値のあるものなど、この世界に存在するはずがない!。
チトカニウシからの展望
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(1758KB;要Flash Player ver8;別窓で開きます)
いつまでもこの風景の中にいることはできない。
さらに困難な下りが待っている。
それを忘れてやみくもに登っていたわけじゃないけれど、白い氷の斜面を下るのは容易じゃありませんでした。
登っているとき一組だけすれ違った山スキーの男性は、ゴキゴキゴキと物凄い音を立ててぼくのそばに降ってきて、こう言いました。
「まったくサイテーの雪質だよ!
ぜんぜん話にならない」
そして今ぼくも、そのサイテーな雪の斜面をずり落ちながら、彼と同じことを考えていました。
ゴキゴキゴキ・・・。
スキーがこんな破滅的な音を出すのを、ぼくは今まで一度も聞いたことがありません。
でも先はまだ長い。
1258ピークをすぎ、急斜面に入る手前、ようやく雪が少しだけ柔らかくなったところで、昼食にします。
今日の料理はクッパです。

スープにご飯を投入してグツグツやる料理は、手軽だし温まるし食べやすいしで、これからの主力になりそうです。
こういった雑炊系の料理のバリエーションって、世界中にいっぱいありそうだし。
あるていど標高がある山特有の、藍色の空には一点の曇りもありません。
動いているものは何一つ見当たらず、時間が停止しているような錯覚を覚えます。
夢見心地の1時間半のあとは、コース中でも随一の急斜面が待っています。
まるで何かに祈っているかのよう。

結果は・・・。
想像してたほど悪いもんじゃなかったです。
いやむしろ、壁をひとつ越えることが出来た、そんな気さえします。
南斜面だけあって雪質はコロコロと変化し、そのどれもがまともな雪じゃなかったけれど、下まで見通せる延々と続く疎林のおかげで恐怖心が薄れ、いつもより大胆に飛び込んだのが良かったのかもしれません。
距離にして 1200mの斜面は、ボトム近くになってようやく優しい雪になりました。

ここまで降りてくればゴールは近い、はずだった。
ところが実はここからが、今回の行程で最も激しい消耗を強いられることになったのです。
それはとりもなおさず「登り返し」のせいです。
早めにシールを着ければ良かったのだけど、それは結果論です。
「行きに見たあの斜面やこの斜面も滑りたい」
その一心で、ハの字やニの字でがんばり、最後はスキーを担いで歩いたのです。
でも結局のところ、その頑張りに見合うだけの斜面ではありませんでした。
ま、そういうこともある。
這々の体でたどり着いた950ピークには、電波塔の長い影が伸びていました。
電波塔ピークの風景
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16時ちょうど、北見峠について振り返ると、チトカニウシは夕暮れ色に輝いていました。

山高きが故に尊からず。
こういう山のためにある言葉だろう。
たかだか 1400mちょっとの高さしかない山だけど、スキー登山のあらゆる要素がここにはありました。
それは雪質や斜面といった滑降にかかわる要素だけでなく、展望、植生の変化、ルートファインディング、そして歩くことの面白さといった、山にあるすべてです。
スキーの滑降に重きを置くなら、この山は頂上まで行く必要はないかもしれません。
1258ピークでじゅうぶんでしょう。
でもそれではやはり、決定的に何かが欠損していることに気が付かないフリをして下山することになると思います。
ピークに立つことにこそが意義があるなどとは毛頭思わないけど、登山において頂上に立つことは、シンプルでありながらも正義のあるべきひとつの姿です。
ま、そうはいっても今回のパーフェクトな山行は、徹頭徹尾この弩級の快晴がもたらしてくれた僥倖であることは疑いようがありません。
ひとつ問題があるとすれば、ここまで満たされた山旅を経験してしまうと、しばらくは山に出掛ける気が無くなってしまうことかな。
投稿者 hamayo : 22:06 | コメント (8) | トラックバック
2008 - 2 / 6
あぁ、だまされて野良ハイク・・・
久しぶりに倶知安支店へ出張してきました
でもまさか、雪原を歩くことになろうとは思ってもみませんでした。
もともとそういう予定で出張したわけじゃなかったので。
ツボ足で、ですか?
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倶知安に着く直前に電話が掛かってきて、「念のために聞くが、ノートパソコン持ってきてるよな」と聞かれたのです。
この時点でぼくにしてみれば、むむ?? なのでした。
ノートPC、持ってきてはいるけど、‘念のため’に聞かれるほどこれが重要な役割を果たすような仕事のための出張ではなかったはず・・・。
支店に到着すると、なぜかもうすっかり段取りがされていて、Google Map の表示をプリントアウトした地図を手渡されました。
その地図には、駅や店はおろか住宅にいたるまで、建造物はなにひとつ描かれていません。
ど真ん中に国道5号線が一本、落書きのようにのたうっているだけの地図です。
その5号線に、矢印がマークされていました。
その場所が目的地なら別段問題はありませんが、話を聞くと「その場所から取り付くといいから」とのこと。
‘取り付く’って・・・。
でもその場所は丘を切り通して道をつけた場所で、道の両脇は60度オーバーの斜面です。
ゴム長のツボ足でこんな斜面には取り付けるはずもなく、さらに車を走らせて尾根が低くなる場所を探しだし這い上がっていきました。
丘の上には雪原が広がっていました。
そしてその向こうには昆布岳の特徴あるピークがそびえていました。

風もなく天気は穏やか。
目的地はまだ先ですが、こんな風景の中を歩けるならゴム長ラッセルも悪くない。
プライベートでは天気に恵まれないぼくも、仕事のときは良い引きをするようです。
騙すつもりだったんなら、はじめからそう言ってくれてれば、もっといろいろ準備して楽しめたんだけどなー。
お土産に渓流焼を買って帰りました。

素朴な町の素朴な店で、素朴な人が素朴な材料を使って焼き上げた、絵に描いたような素朴なお菓子でした。
小さなどら焼きをツブしたような感じです。
ここ最近は名のある和菓子店でも、餡子を自前で作っているところはほとんどなくなり、たいてい餡子だけは外注している場合が多いのですが、この店はちゃんと自分とこで餡子も作っている頑張り屋さんです。
