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2008 - 4 /29

銭函天狗山はとってもスパイシーでした


山歩きを始めたころは確かにあったのに、いつの間にか失ってしまった、ある情感。
最後にそれを味わったのはいつだったかな。


なんで失ってしまったのかは、ずいぶん前に分かっていました。
それは「クルマ」のせい。
運転免許を取得し、自分のクルマを持ち、時間に束縛されず行きたいところまで自由に行けるようになると、山の選択肢は飛躍的に増えました。
それはぜんぜん悪いことじゃないけれど、かわりに多くのものを失うことになりました。


バスや電車の時刻表をチェックして、綿密な計画をたてる前日までの日々。
停車場から登山口まで歩くあいだに見られる田園の風情。
帰りのバスの時刻がせまるなか、焦燥感をもって駆け下りる下山路。
車窓の風景を肴に飲むビール。
家を出るときから帰り着くまで、一度なりとも紐を解くことがない登山靴との対話。


これらはみんな、山旅を形づくる重要なエッセンスでした。
でもみんな、クルマによってそれを感じる機会は失われてしまったのです。


久しぶりにクルマを使わないで山に行ってみようかな。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓



小樽の天狗山といえば、スキーヤーや観光客にも有名な「小樽天狗山」がありますが、小樽にはもうひとつ有名な天狗山があります。
銭函天狗山」と呼ばれるこちらの山は、札幌市との境界にほど近い小樽市の最東部にあり、山頂部に屹立する岩塊はふもとからでもよく目立ち、自分より標高の高い山に周りを囲まれていながらも、それらに埋もれることなく強い存在感で聳えています。


銭函天狗山の地図
銭函天狗山 GPSトラック

銭函天狗山 断面図


銭函天狗山に登るために公共交通機関を使う場合、方法は二つあります。
ノーマルコースの緑花会コースの場合、高速バスの見晴バスストップを使います。
林道でアプローチする桂岡コースの場合は、中央バスの小樽・桂岡線を利用し、桂岡で降ります。
つまり登りと下りでコースを変えて、グルっと山を一回りすることも出来るわけですが、今回は無難にノーマルコースを往復することにしました。


最寄のバスストップは「見晴」。
高速バス、見晴バスストップ

小樽-札幌の高速バスはよく利用するけど、高速道路区間で降りるのは初めてです。
なかなか新鮮な風景です。


地上に降りて、高速道路の下をくぐり反対側に出たら、墓地の横をしばらく歩きます。
ほどなくして大倉山学院への分岐が現れたら、右の学院のほうへ進み、あとは道なりに歩いていくと看板が登山口へと導いてくれます。


有名な山だけあって看板もしっかり。
銭函天狗山看板


舗装路が切れて少し行くと駐車場があり、林道のゲートを超えた先が登山口です。
登山道は始め、ほとんど傾斜のない林の中を歩きます。


うららかな春の陽射しに夢見心地。
やわらかい春の陽射しの中を歩く


20分ほど歩くと山小屋が見えてきます。
札幌山岳会さんが所有する銭天山荘です。
銭天山荘が見えてきました


山小屋をすぎると、谷すじに沿って進んでいきます。
空がひらけた明るい谷は、木々の葉が芽吹く前ということもあって林床までしっかりと光が届き、一年で最もまぶしい季節をむかえています。


前方にこれから上がるべき尾根が見えてくると、残雪が現れはじめました。
残雪がルートを隠す


ここからさき、一時的にルートが雪の下に隠れてしまいます。
雪の上の踏み跡も不明瞭で、地形図とコンパスを頼りに進む方向を見定めます。
そのまま真南にまっすぐ登っていくのが正解ですが、いずれ左側(東側)に見えている尾根に乗ることになるので、そのことが理解できていれば夏道を見失うことはそれほど問題にはならないでしょう。


残雪地帯を抜けると、尾根への急坂が待っていました。
尾根への急な取り付き


振り返ると銭函の市街地の向こうに海が見えてきます。
確実に高度を上げていることを実感しつつ、もうひと頑張り。
尾根に上がると今まで見えていなかった手稲区方面の景色が一気に広がります。


尾根に上がったからといっても、この山はまだまだ気が抜けません。
ここからが銭函天狗山のハイライトなのです。


まずは固定ロープがお出迎え。
銭函天狗山のロープ場

ロープ場は一箇所だけにとどまらず、いくつも連続して現れ、コース中随一の急勾配を越えていきます。


ロープ場で一気に高度を稼ぐと、いよいよ山頂部の岩塔が迫ってきます。
岩塔が目の前に迫ってきます


岩塔の基部は崩れ落ちた岩の塊がいくつも折り重なっています。
銭天岩頭基部


正面からは登れないので右側を巻いていくと、山頂直下はふたたび残雪の上を進みます。
山頂直下の残雪


岩塔に登りつめると一気に展望が開けます。
展望が開けます


山頂まではあと少し。
まっすぐ切れ落ちた足もとに気を付けながら、広がる大展望のなかを飛ぶように歩きます。


そしていつものごとく、標準タイムの1.5倍の90分かけて山頂到着。
銭函天狗山の山頂に到着


まさにスカっとする爽やかさ。
スパイシーな緊張感を味わえる、絶景の山頂です。


銭函天狗山からのパノラマ

(529KB;要Flash Player ver8.0.24 or later;別窓で開きます)



午後の一時をすぎてから登り始めたためか、下りてくる人には数人合ったものの、山頂にはだれもいませんでした。
思う存分セルフタイマで写真を取りまくって、山頂を後にしました。


「北の桂浜」を見やりながら、サヨナラ銭天さん。
銭天から望む北の桂浜


下に着くころにはすっかり夕方になっていました。


さて、今日はバスで来たんだし、ビールでも買ってバスで飲むか!。
って思ったんだけど、商店は一軒たりともありませんでした。
ま、来るときに既にそれには気付いてたんですけどね。
しかも高速バスのヤツったら、ほんの10数分で小樽に着いてくれると来たもんだ。
のんびりビールなんて飲んでるヒマはないんです。


こんど来るときには路線バスの桂岡行きを使って、桂岡コースから登ってみよう。
あっちならラルズマートでお買い物できるし、小樽まで30分以上バスに揺られるし。
そう誓いつつ、とぼとぼとバス乗り場へと歩いていきました。
バス乗り場にむかってとぼとぼ歩く





その他の画像


投稿者 hamayo : 2008年4月29日 18:28

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コメント(6)

古い記事のことでお聞きしたくお邪魔いたします。
昨年我路公園のキャンプ場にお泊りになったとの事、大型連休中に利用したいのですが、お手洗いと炊事場はありましたでしょうか。お教えいただけると幸いです。

ふむふむ、夏山JOYの季節やね。
小樽周りもアクセスが楽な割にピリリとした小粒なお山が多うてヨロシイな。
ワスも札幌の天狗はどっちも落としたから次は小樽やなぁ。
列車に揺られて上がって、帰りにシグナルに寄るなんてのもオツだわい。

さて、秋のユニ石狩は去年からの宿題やとして、夏の山キャンはどこにするぞ?
前日はもちろんベッローン再びちゅうことで釣りでキマリや(笑)

to まさご屋さん

炊事場、というか水が出る場所はありました。
トイレについては、現場トイレに毛が生えたようなものでした。

「キャンプ場」というよりは、「キャンプしてもいいです場」といった風情の場所です。
もしファミリーで利用するおつもりでしたら、ブッシュキャンプする腹積もりで来れば、現地で困惑することはないと思います。

たぶんゴールデンウィーク中も、他のキャンプ場のようには混雑しないんじゃないかな。
さすがにぼくの時のように、ひとりぼっちということはないと思いますが。

to J君

わずか1時間(標準タイムでは、やが)の間に、谷あり雪渓あり花ありロープ場あり岩場あり尾根歩きあり大展望ありの盛り沢山やよってに、
飽きたりダレたりするヒマがない「よう出来た山」ですわ。

 > 列車に揺られて上がって、
 > 帰りにシグナルに寄るなんてのもオツだわい

そらまさしく、ぶらり途中下車の旅ですな。ふむふむ。

夏キャンねー、土日の休みなかなか取れんからなー、ワシ。
ちゅーか今年度から、どうも管理職ちゅーのになってもうたらしいよってに、金土とか日月ばっかりやもしれん。
まー有給休暇は自分でハンコ押せるゆう職権も得たわけやが。

とりあえず5月・6月は土日の連休はムリポでございます。トホホ。


どーも、おはよーさんです。
ん~銭天ね、おいらも何度か登ってますわ(直近では昨年春にに登りましたよ)。
時期的には紅葉の秋もイイけど、やっぱし春の方が清々しくて気持ちイイですな(もう少しすると花ダラーケになるしね)。

公共交通機関を利用しての登山などは環境問題を考える観点からもイイ事ですな。
おいらも、年に3~4回は公共交通機関を利用したり、自転車を利用したりして楽しんでますよ。
特に札幌や小樽近郊は公共交通と登山道(遊歩道)がリンクして利用しやすい環境なので、たまに出掛けますね。
まぁ車の方が圧倒的に便利なんだけど、公共交通ならではの利点(単独縦走出来る、酒が飲める、寝て帰れる、車と違った旅気分を味わえる・・・など)あるので全然悪くないですよね。
最近の異常気象(温暖化?)を考えると、こういった脱クルマ登山がもっと広まる事を願って止みませんな。

最後に、ご利用頂きまして誠に有難うございます(笑)。

こんちこれまた kacchinさん。
大都市近郊の低山は昔っから歩かれてるだけあって、何かにつけて優秀ですね。
登山が初めての人を山に連れてくとしたら、こんな山がベストやなーと思いました。

子供のころから、山に行くゆ-たら時刻表を調べるとこからスタートしてたし、それがまたお面白かったんだけど、クルマによってそーゆー副次的な楽しみが奪われてしまうちゅーのも、いささか悲しいもんだなと思ったわけです。

たしかに無駄な燃料を消費しなくてすむことや、不必要な排ガスをバカスカ出さなくていいってゆーのも、ローインパクトの点でナイスですね。
それでなくてもほとんどの人間は、生きてるだけでハイインパクトなんだし。

ちなみに、行きは赤いので帰りは青いのでした(笑)。

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