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2008 - 11 / 4
思索の山、両古美山
いつ来ても期待を裏切らない山。
そんな山をひとつ知っているだけで、じゅうぶんぼくは幸せなんだと思う。
去年と同様、雪が降る直前の両古美山で、寒風に吹かれてきました。
山で考えるということ
↓↓↓↓↓↓↓↓↓
■空の青、山の蒼
たかだか標高600mのラインに森林限界を持つこの山には、今日も強い風が吹いている。
冬のあいだの大量の積雪のみが、この景観を作るわけではないはずだ、とぼくは思ってる。
四六時中吹いているこの強風もまた、関係しているはずだ、と。

考え事をしていても、頭に浮かんだ言葉は風に吹かれてちぎれ飛んでいく。
残された言葉を集めて、思索の山歩きへ。
■枯れ木も山の賑わい
いんや、枯れ木が主役なのだ。
冬が近付くと山の木々はみな葉を落とし裸になっていくのに、人間は着る服を増やしてどんどん着膨れしていく。
人間の美しさの所在には興味ないけど、身にまとっていた葉を全部落とし、幹と枝だけになった白樺の木にぼくは、背筋の凍るような美を感じる。
■野菊
花が散ったあとに残された野菊の種子は、華やいだ秋が終わったことを告げる花火のようだ。
やれ固有種だとか、希少種がどうとかいって、おおぜいの登山者に愛でられた野山の花も、散ってしまえば見向きもされない。
次世代への遺伝子をたずさえた種子にもまた、花の時代とは別の美しさがあるのにな。

この程度の冠毛にどれほどの効果があるのか分からないけど、雪が積もる前に風に乗って飛んでいけと祈らずにはいられない。
■落ち葉の魅力
落ち葉を蹴散らして歩くのは楽しい。
冬枯れの山で、乾いた落ち葉の上に眠るのは、ぼくのささやかな夢のひとつ。
でも北海道の野山でそれを実現するのは、綿密な計算と幸運が必要になる。
前にも書いたけど、落葉と降雪とが一緒にやってくる北海道では、落ち葉はすぐに濡れてしまう。
そして濡れた落ち葉はなかなか乾かない。
乾かないうちに次の雪が降り、しだいに山は白くなっていく。
チャンスはほんの数日しかない。
ぼくが関東の低山にあこがれるのは、多分このせいなのだ。

でも今日は泊まらない。
テントは背負ってきてるけど、今日は泊まらない。
明朝にはここも真っ白になってるだろう。
■今川焼 = 回転焼き ≠ おやき
甘納豆とドライアップルのパンケーキ。
というか、今川焼。
フライパンとしては使いようがないコッヘルの蓋も、今川焼にはベストなサイズ。

甘納豆だけだとホントの今川焼みたいになるけど、ドライアップルを入れることで酸味がきいて洋風になる。
小麦粉は偉大だな。
今度はそば粉でやってみよう。
そば粉の香ばしさは、しょっぱいものにも合うはずだ。
おやつでなく主食にもなれるかもしれない。
■イキりの岩
そんな名前の岩はない。
でもこの岩場に来れば、誰もがこんな写真を撮りたくなるに決まってる。

「おまえ、なにイキっとんねん」、ってカンサイ人ならそう言う。
しゃーない。
ここは見晴らし良すぎなんだから。
・両古美山8合目くらいからのパノラマ
QuicktimeVR版 はこちらをクリック(639KB)
Flash版 はこちらをクリック(893KB)
■三次元トーラスの夕べ
海が見える山はいい。
海岸から眺める海よりも、海原の只中で見る海よりも、山の上から見る海がいい。
それはたぶん、風景の遠近感だったり、水平線の遠望からくるものだと思うけど、今日はそれだけではない。
三つの海が見えるこの山で、興味は水平線のかなたに飛んでいく。
正しい宇宙モデルなんて、今の人類には一生かかっても見つけられないだろうし、見つかったとしても誰にも理解できないものになるのだと思う。
でもこうやって、高い場所から空と海との境界がはっきりしない夕陽の海に、水平線の向こう側を見ていると、クラインの壷や三次元トーラスの実体が見えてくる、、、気がする。
Newtonを立ち読みした直後のように。
■Über den Bergen
下山後に見る幾重にもかさなる山並みは、次の山旅への想像力をふくらませる源泉だ。
あの山の向こうに何があるのだろうか、何かが見つかるんじゃないかと、山の向こうへの欲求は強まるばかり。
実際のところ、「山のあなたの空遠く」にも、「山のあなたのなほ遠く」にも、幸いなんか無い。
小学校時代の大門先生は、幸いのありかをぼくにこっそり教えてくれたけど、その意味が分かるまでに何十年かかったことか。

「山のあなたのなほ遠く」はつまり「山のあなたのあなた」だが、「ここ」から見た「山のあなたのあなた」は、「山のあなた」から見れば「山のあなた」なわけだ。
「山のあなた」まで行って見つからないものは、どれだけそれを重ねても見つからない。
ゼロは何倍してもゼロだ。
哲学や形而上学的な答えなのかと思っていたそれは、以外にも物理学的、あるいは数学的な解釈の方が分かりやすかった。
それとも ZEN?。
最後は西からせまってくる雪雲に追い立てられるかのように、急ぎ足で下りてきた両古美山。
それでもじゅうぶん思索の山は楽しめた。
昔の人は、山は考える場所だと思っていたようだが、たしかにそのとおりだと思う。
家の中とか、布団の中とか、クルマの中なんかよりは、よっぽど考えるのに適した場所だ。
山に行くたびいつもこんなふうに思索していると、そのうち役行者か空海みたいに・・・は、なれないけど、修行を積めば山に行かなくても山に行った気になれるかもしれない。
エア・ギターならぬ、エア・トレッキングだな。
投稿者 hamayo : 2008年11月 4日 21:39
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あいかわらずの見事な写真
この写真で御酒が何杯飲める事か・・・(すみません、ほとんど御酒飲めませんでした)とチョットハードボイルド気取りにさせる、そんな写真ですね。
マスター! ウィスキーをロックで・・・
いやいや、そんなに褒めていただくと照れますな。
えーと・・・ではとっておきの、グレンモーレンジの
マラガウッドフィニッシュでも ( ー_ー)/□
あー、フラスコが欲しくなってきた。やばいやばい。
伊達へ積丹へと元気に走り回っておいでだったのですか。雪が積もるまでしばらく登山は休憩なさるのかと思っておりましたが。どちらも私の知らない山で大変楽しく読ませていただきました。
構成力も見事ですし写真も文章も見事です。串田孫一氏のエッセイを読んでいる気分といえば分かっていただけるでしょうか。
彼の地の気象を詳しくは存じ上げませんが確かにhamayoさんのお見立て通りこの高さの山でこの植生は珍しいかと思います。ただパノラマ映像で周囲の山を見れば他の山には上の方まで林があるので別の要因も排除できないだろうと思います。
森のことを考え出すと止め処なく書いてしまうのでそろそろ止めておきます。
どーも、どーも、こんばんわん。
やんやんや、画的に涙チョチョ切れモンの感動ですわ!
山で今川焼もナイスセンス!ス、スンバラシイ~
確かに、山は考えるに場所に適してますな。
周りの大自然と雄大な景色、空気がココロや固定観念のバリアを解き放ってくれるから、素直にダイレクトに物事を考える事が出来るんでしょう。
そして、なにより自分自身がイチバンよ~く見えるようになるし・・・やっぱり、自然と人間(ココロ)が物理的に遠ざかるのは精神衛生上あまりよくないコトよね。
ちなみに、立ち読みはNewtonより、ムーの方が多かったkacchin君より(笑)。
to あおやぎさん
紅葉が終わったこの時期は、山を歩く人もほとんどいないので、考え事をしながら山にひたるにはいい季節ですね。
それにしても、串田孫一とはあまりに恐れ多い。
比較の対象になることなどありえない、雲の上の存在です。
両古美山についてはぼくもいろいろ考えました。
山火事説とか、特別な土壌説とか・・・。
でもハイマツの成長速度なんかを考えると、どれもウマくないんですよね。
やはり結局、積雪と強風というツマらない結論がいちばんしっくり来るようです。
to kacchinさん
2年続けて同じ山に同じ季節に来ても、見えるものが違ってくるから不思議ですね~。
だから山歩きはやめられないでしょうな。
今川焼き(ってゆーか、コナモン焼き焼き系)って、実はアウトドアに向いてるんちゃうのん、って思いましたよ。
生地さえ家で作ってくれば焼くのなんて数分だし、味のバリエーションは無限だし。
> 自然と人間(ココロ)が物理的に遠ざかる
> のは精神衛生上あまりよくないコトよね
そのとおりやと思いますよ。
そこらへんの距離感ってゆーか、付き合い方みたいなのは、昔の人のほうがはるかに上手かったんでしょうな。
> ムーの方が多かったkacchin君より
立ち読みしてると突然チョメチョメ記事が出てきて恥ずかしくなるQuarkも好きやったなぁ。。。
hamayoさんこんばんわ~☆
山は考えるところって云いましても・・・独りで行かないとね!
何時も青い空とメリハリのある白い雲にはカンゲキです^^。
セピア色した写真インパクトありますね!いつもマンネリで無いところに尊敬の眼差し~です^^。
このところの強風何とかして~!って思いましたが今日は穏やかで!と云いたいけれど風強しでした。今年最後の山行に剣山に行ってきました。帯広から30分の距離です。1205m3,6kmの道程ですが今日は銀座並みでした。
積雪もなく舞い降りた雪だけです。hamayoさんも今年は未だ間に合いそうですよ~(^Q^)/^
hamayoさんのレシピ美味しそう~。
私たちの今日のレシピは岩陰でキノコ汁鍋です。テントを張る場所が無くって・・^^;。身体が温まって美味しかったです。
こんばんはkoyukiさん。
パーティにはパーティの、単独行には単独行の楽しみがあるから、山は面白いんですね~。
剣山は賑わっていましたか。
剣山ってのはものすごく険しい山なんだろうな、ってずっと思っていた(名前のイメージから)のですが、実は誰からも好かれる気さくな山だったんですね。
うーん、、、行きたいけれど、なかなか遠いなぁ。
キノコ汁、美味そう!。
これからの季節はやっぱ汁物だな。
寒ーい山で食べる汁物は、体も心もぽっかぽかだもんね。