2009年11月11日

降ってはとけ、降ってはとけ



長期予報どおり、しばらく暖かい日が続いていましたが、ふたたび 850hPaの -6度線が下りてきました。


でも町なかは、このくらい。

みぞれを乗せた落ち葉舟


ところがうちの谷は、こんな感じ。

カラマツ林のモノトーン


こうして降ってはとけ、降ってはとけを繰りかえし、気がつけば白一色になっていくんですね。


投稿者 hamayo : 22:57 | コメント (10) | トラックバック

2009年9月 6日

オンネトーの青



いつか北海道を離れることがあったとして、北海道の中でもういちど訪ねたい場所を 1ヶ所だけ挙げてくださいといわれたら、真っ先にここを選びます。



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訪れるたびに表情を変える湖面は、オンネトーのもっとも代表的な景観ですが、それはこの湖が持つ魅力の、ほんのひとつ。
林の向こうの青いみずうみ


それは文字どおり、湖のいちばん表面で起きている、ささやかな神秘です。


「本当の神秘は、目に見えるもののその奥にあるのです。」 湖底木はそう話します。
湖底木が話すオンネトーの神秘






オンネトーとその森は、ここに住む多くのいきものたちと関わりあうのと同じようにして、旅の人間にも接してくれます。森といきものの関係


いきものたちもまた同様に、森や湖とかかわるのと変わらずに接してくれます。
いきものとひとの関係


この森の王として、空をささえる巨木。
その身に刻んだ凍裂痕をとおして冬の厳しさを語るアカエゾマツも、ぼくを特別扱いすることはありません。
森の王の風格


死者をつつむ衣のような、倒木をくるむ苔のやわらかさに、足をとめて、声をききます。
倒木をくるむ苔のやわらかさ


そんなみんなの優しさに、ぼくはいつもヤラれてしまうのです。






オンネトーに行くときは、必ず野営します。
湖からいちばん近い場所で、手を伸ばせば届くくらい近くで、湖と一緒に夜をすごし、そして朝を迎えます。
手をのばせば、湖に手がとどく場所で、野営します


テントから見える夕景は、オンネトーが届けてくれた、最高のギフトです。
オンネトーからの、最高のギフト


オンネトーを見おろす阿寒の山々にも、おなじ贈り物が届けられたようです。
雌阿寒岳の夕照






最後の朝、湖をめぐる小径を歩いていると、ルリイトトンボたちが翅を休めている入り江がありました。
イトトンボの入り江


近くまでいくと、トンボたちはつぎつぎに飛び始め、道のおくへ向かっていきます。
どこまでも、どこまでも、ぼくが歩く先へと飛んでいきます。
気がつくとトンボたちの姿は消えていて、そこには岬へ続く細いけものみちがありました。


その道を歩いていくと、オンネトーの、ほかのどこよりも青い湖面があらわれました。
オンネトーの、ほかのどこよりも青い湖面


ここが特別な場所であることは、すぐにわかりました。
空のしずくから起きた青でもなく、森のしたたりがやどる青でもなく。
この青は、この湖の青は、あのトンボの青とおなじ青なのだと。


この夏、湖の奥でトンボがおしえてくれた秘密は、ぼくの大切な記憶です。



訪れるたびに表情を変える湖面は、オンネトーのもっとも代表的な景観ですが、それはこの湖が持つ魅力の、ほんのひとつ。
林の向こうの青いみずうみ


それは文字どおり、湖のいちばん表面で起きている、ささやかな神秘です。


「本当の神秘は、目に見えるもののその奥にあるのです。」 湖底木はそう話します。
湖底木が話すオンネトーの神秘






オンネトーとその森は、ここに住む多くのいきものたちと関わりあうのと同じようにして、旅の人間にも接してくれます。森といきものの関係


いきものたちもまた同様に、森や湖とかかわるのと変わらずに接してくれます。
いきものとひとの関係


この森の王として、空をささえる巨木。
その身に刻んだ凍裂痕をとおして冬の厳しさを語るアカエゾマツも、ぼくを特別扱いすることはありません。
森の王の風格


死者をつつむ衣のような、倒木をくるむ苔のやわらかさに、足をとめて、声をききます。
倒木をくるむ苔のやわらかさ


そんなみんなの優しさに、ぼくはいつもヤラれてしまうのです。






オンネトーに行くときは、必ず野営します。
湖からいちばん近い場所で、手を伸ばせば届くくらい近くで、湖と一緒に夜をすごし、そして朝を迎えます。
手をのばせば、湖に手がとどく場所で、野営します


テントから見える夕景は、オンネトーが届けてくれた、最高のギフトです。
オンネトーからの、最高のギフト


オンネトーを見おろす阿寒の山々にも、おなじ贈り物が届けられたようです。
雌阿寒岳の夕照






最後の朝、湖をめぐる小径を歩いていると、ルリイトトンボたちが翅を休めている入り江がありました。
イトトンボの入り江


近くまでいくと、トンボたちはつぎつぎに飛び始め、道のおくへ向かっていきます。
どこまでも、どこまでも、ぼくが歩く先へと飛んでいきます。
気がつくとトンボたちの姿は消えていて、そこには岬へ続く細いけものみちがありました。


その道を歩いていくと、オンネトーの、ほかのどこよりも青い湖面があらわれました。
オンネトーの、ほかのどこよりも青い湖面


ここが特別な場所であることは、すぐにわかりました。
空のしずくから起きた青でもなく、森のしたたりがやどる青でもなく。
この青は、この湖の青は、あのトンボの青とおなじ青なのだと。


この夏、湖の奥でトンボがおしえてくれた秘密は、ぼくの大切な記憶です。



投稿者 hamayo : 19:52 | コメント (15) | トラックバック

2007年9月23日

余焔

 
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赤岩山のむこうに日が沈むと、砂浜はゆっくりと色を失っていきました。
ファインダーから目を離し、視界をフレームの制約からのがしてやります。


波打ちぎわにいた少年はもういませんでした。
沖へと漕ぎだしていたパドラーの姿も見えません。


砂の粒子がふたりをのみ込み、啄んでいたチドリたちは空へ吸い込まれました。
影をなくした椅子たちからは、体温を感じることが出来なくなっていました。


波の音がだんだんと大きく聞こえてきて、ぼくは観念の世界からこちら側に連れ戻されました。
深い井戸をのぞき込んでいるうちに、いつのまにか井戸の底に降り立っていたようです。


観念は光ととても深い関係にあるようでしたが、音とはそれほど親密ではないようです。
ぼくが波を思うよりも前に、波の音はそこにありました。


砂浜をあとにして歩いていると、はるか東の海岸に今日最後の光が届けられているのが見えました。
今日の最後の太陽の光は、この夏の最後の太陽の光になるかもしれないと思ったぼくは、「余焔」という言葉をイメージして、最後の写真を撮りました。
 
 
 
この項終わり

投稿者 hamayo : 21:10 | コメント (4) | トラックバック

2007年9月22日

無人の体温

 
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投稿者 hamayo : 20:45 | コメント (0) | トラックバック

2007年9月21日

三羽

 
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投稿者 hamayo : 07:29 | コメント (0) | トラックバック

2007年9月19日

ふたり

 
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投稿者 hamayo : 21:38 | コメント (0) | トラックバック

2007年9月18日

ひとり

 
孤絶
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孤独
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孤高
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ひとりを見るのは寂しいな。
ひとりでいるのは寂しくないのに。


「ひとり」を表す言葉の豊富さに驚きました。
それぞれの言葉の、色や温度のちがいを感じ取れるということは、とても幸せなことだと思いました。
国語の成績は良くなかったけど。

投稿者 hamayo : 22:20 | コメント (6) | トラックバック

2007年9月17日

遠ざかる

 
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すぎ去っていく季節には、手を伸ばしてももうさわれません。
すぎゆく春、すぎゆく夏、すぎゆく秋、すぎゆく冬。
なんで「夏」だけ寂しいんだろう。
「夏」が遠くなっていく消失感は、なんでこんなに強いんだろう。


夏はそんなに好きじゃないんだけどな。
暑いし。

投稿者 hamayo : 21:35 | コメント (0) | トラックバック

2007年9月16日

惑星アラキス

 
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山の中にあるうちの周りには、夏を感じさせるようなものはもう何も見あたりません。
ひとつ残らず前線の向こう側にさらわれてしまいました。
きっと戻ってきません。


だけど海辺に行けば、まだ少しくらい夏の残照が輝いてるかもしれない。
飛び立つ機会を逸して群からはぐれてしまった渡り鳥みたいな、ささやかな夏が。


そう思って、季節外れの「おたるドリームビーチ」に行ってきました。
しばらく何日間か、その風景をアップします。

投稿者 hamayo : 23:05 | コメント (0) | トラックバック

2006年11月26日

小春日

 
移動性の高気圧に覆われた週末、ポカポカ陽気に誘われて塩谷の浜へ。


久しぶりの陽光、風のない砂浜。
黄色い空気と青い空気が、慎重に調合されたドレッシングのようにきれいに融けあい、小春日和の風景。


赤いバケツ。赤い灯台。
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細胞壁は青かった。
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海のかなたに何を見ているのですか?
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海の向こうを見てるのはカモメだけじゃない。
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土から生まれてきたのか、土に還っていくのか。
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GFSで今週後半(次の週末)に降りてくると予想されている寒気は、西日本の山沿いで雪が降ってもおかしくない強さのものです。
こんな穏やかな休日もこれでおしまいかな。

投稿者 hamayo : 22:43 | コメント (6) | トラックバック

2006年11月20日

雪景色ひっそり

 
先週ふった初雪も、町場ではすっかり融けて無くなってしまいました。
だけどうちは町場じゃないんですね。
あんまり融けません。


むかし北見に住んでいたころのこと。
そもそも北見という町は雪はそんなに降らないところなのですが、気温がとにかく低い町でした。
最低気温が低い場所はほかにいくらでもあるけど、北見は日中の最高気温がとにかく低かった


ひとたび降った雪はそれがたった 1cmの積雪であっても、1週間2週間と降ったときのママの状態で残り続けるのを見て、いやはや凄いところもあるもんだと思ったものです。
そりゃー最低気温マイナス25度、最高気温マイナス15度なんて日がくる日もくる日も続くんだから、まさしく天然の冷凍庫ですよ。


いまの住まいがある場所はそんな酷寒の地とは比較になりませんが、やっぱり山間の土地というのは気温も低いし、日が暮れるのもはやいしで、ひとあし先に冬の到来です。


もうじき頭の先まで雪の下。
来年の春までおやすみなさい。
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投稿者 hamayo : 19:46 | コメント (3) | トラックバック

2006年11月11日

屋根の掃除

 
きょうは屋根の掃除をしました。


うちの裏山はカラマツの林になっていて、秋の終わり、本当に本当の終わりのこの時期、遠目にはそれはそれは見事な黄金色に輝く林なのですが、そのすぐそばに住むものにとっては、絶え間なく降ってくるカラマツの葉の処理に困るのです。


こちらの家の造りは、部屋の中で焚く暖房の熱で、あるていど屋根の雪を融かそうとします。
屋根の上に降り積もったカラマツの葉は断熱材の働きをして、雪が融けるのを妨げてしまうのです。
また、屋根上の排水路に葉がたまると、融かした雪が流れなくなってしまいます。


11月の風のない日、箒を持った人が屋根で働いている風景は、この季節この地域の風物詩と言ってもいい風景です。


道路の端に積もったカラマツの葉
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11月に入り何度か寒気の流入が予想されていましたが、いつも直前に高温修正され、冬将軍どころか足軽以下のヘナヘナ寒気でした。
しかし明日12日は、上空5500mで -24度クラスが急速に流れ込んできそうです。


地表面がまだ高温のため、小樽で雪が降るかは微妙だけど、GFS の 15日辺りの画像を見ると、単発ながらも 上空1500mで -12度級の寒気が降りてきそう(5500m はむしろ東北地方の方が低くなってるけど)なので、いよいよ冬の到来は秒読み段階に入った感があります。

投稿者 hamayo : 11:15 | コメント (4) | トラックバック

2006年11月 3日

雪待月

 
久しぶりにゆっくりとしたオフでした。


今年はなかなか一線を越える寒気が降りてきませんが、紅葉はもうどこも終わりに近付いていて、色づいた葉はおおかた地面に落ちてしまいました。

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11月には雪待月の異名があります。
関東以南ではなかなか実感の伴わない呼び方でしょう。
ただ北海道のような北国では、これほど端的に 11月を言い表している言葉はほかにないんじゃないかと思います。


雪を待ち望んでいる人のところにも、雪を忌み嫌っている人のところにも、もうじきそれはやって来ます。
どうせ来るのは分かっているのだから、初霜や初氷や霙なんてものでごまかしたりしないで、いっそひと思いにどばっと降ってくれ、と思っている人は多いんじゃないかな。


そういう意味では、みんな雪が降るのを待っているのです。
好きかどうかは別にして。


夕方になって空気が冷たくなってくると、みんな空を見上げ、今夜は降るかなぁとか、明日の朝は少し積もってるだろうか、なんて考える、それが北海道の雪待月です。

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投稿者 hamayo : 17:48 | コメント (6) | トラックバック

2006年10月21日

-6度線


小樽もずいぶん寒くなってきました。
遅れていた紅葉も町までやって来ました。


850hPa での -6度線が、小樽のすぐ北にまで降りてきそうです。
道北やオホーツク海側では、明日にも里に雪が降るでしょう。


こんなに寒い夜でも、運河沿いにはいっぱい観光客がいました。
去年くらいまでは、「昼は小樽、夜は札幌」というパタンの観光客がほとんどでしたが、どうも今年は少しようすが違います。


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夜の小樽を歩かないでどうすんだ、ってぼくは思っていたのだけど、ようやくみんなその魅力に気が付き始めたのかな。

投稿者 hamayo : 19:46 | コメント (6) | トラックバック

2006年10月 4日

最北の鉄路、宗谷本線 (おまけ)

 
帰り道、国道40号線をのんびりと走っていると、踏切が鳴る音が聞こえたので、線路がある方へ降りていってみました。


道路から少し上がった高台の上に、豊清水駅がありました。
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今までみてきたようなものと違って、わりと立派な駅舎ではありますが、やはりそこに人影はなく、むしろ「人の匂いはすれど姿は無し」といった風景が、いっそう寂しさを助長しているようでした。


壊れた温度計。
-30度までじゃ足らないだろうに。
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駅の階段を下りて見える風景は、寂しさを越え 死をも想像させるものでした。
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バスの停留所が、今も使われているのかどうかは分かりません。
かつて人がいたころなら、駅前に牧場がある風景は、北海道を象徴する景色として多くの観光客の目を楽しませてくれたでしょう。


今はただ、骨だけになった牛舎があるのみです。


そんな豊清水駅ですが、駅へ上がる階段とは離れた場所にあるスロープに、鉄道利用者のものと思われる自転車がありました。
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生命の痕跡を見つけたようで、少しほっとしました。


今後たとえ利用者がいなくなっても、豊清水駅には重要な役割があります。
特急も走る宗谷本線は、新旭川駅以北はすべて単線のため、上下の列車を交換する場所が必要になります。


島式1面2線ホームを持つこの駅は、美深~音威子府間で唯一の交換駅なのです。
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ただ駅前の光景を見てしまうと、このままでは将来は信号所に格下げされるかもしれないな、と思ってしまいます。
今年3月にも、智東、南下沼の2つの駅が廃止されました。


最北の鉄路を取り巻く状況はなかなか厳しいですが、たとえば日進駅のように、近くにユースホステルが出来たおかげで、飛躍的に乗降客が増えたというようなケースもありますので、何かちょっとしたきっかけがあれば、活気を取り戻せる可能性はあると思います。


3年後か、5年後か、次はいつ来られるか分かりませんが、もう少し人の匂いがする宗谷本線になっていたらいいな。


おしまい。
 
 
 

投稿者 hamayo : 20:38 | コメント (0) | トラックバック

2006年10月 3日

最北の鉄路、宗谷本線 (3)

 
サロベツ原野は釧路湿原と並ぶ広大な湿原です。
そのため気温の下がる日の出前は、辺りいちめん霧の海に沈みます。


夜明けともに霧は気体となって消えていきますが、霧が濡らした草や木が、しっとりとした風景を見せてくれます。
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静かな朝、ガタンゴトンという列車の音が、いくつもの丘を越えて聞こえてきます。
ダイヤを見ても、ここに来るのはまだ何分も後なのに、遠くの方からそれは聞こえてきます。


そして一番列車が、まだ霧の残る森境を駆け抜けます。
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汽車を待つ抜海駅に、人の気配はありません。
夜が明けるのを、じっと待っています。


集落にひとり残った老人のような佇まいでした。
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待ちこがれた朝日が駅舎を照らします。
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そして汽車もやってきました。
乗る人もいなければ、降りる人もいません。


古い窓ガラスが日光をやわらかく通し、無人の待合室を暖めていました。
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宗谷本線はこのあと海岸線に出て、間近に利尻島を望む抜海~南稚内は、本線随一の車窓風景が広がります。
そして南稚内をすぎると、最北のターミナル稚内駅に到着します。


残念ながら今回のぼくの旅は、抜海駅を終着とし、引き返すことにしました。


本線と名がつくものの、列車本数がとても少ない宗谷本線の北の端では、朝の良い光と列車とを同時に捕まえられるチャンスは、一度か二度しかないからです。


さらにいえば、利尻島の島影を見られる機会も、それほど多くはないようです。
いつになるか分からないけど、それは次回の楽しみに取っておきたいと思います。

投稿者 hamayo : 22:06 | コメント (2) | トラックバック

2006年10月 2日

最北の鉄路、宗谷本線 (2)


士別町からずっと、右に左にと寄り添ってきた天塩川と宗谷本線。
流れを90度西に向ける天塩川とは、幌延でお別れ。
鉄路はさらに北を目指します。


深い森林を抜け出た汽車は、サロベツ原野の酪農地帯を走ります。
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夕暮れ間近、下沼駅は、パンケトーへの入り口。
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「パンケ」と「ペンケ」は、北海道でよく見かける地名です。
パンケは「下」、ペンケは「上」を表し、トーは「沼」を表すアイヌ語です。
つまり下沼駅は、パンケトーをそのまま訳した駅名なんです。


そしてパンケ沼は、学生時代の野宿の思い出の場所。
今夜はここで寝ることにしよう。
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秋の陽はつるべ落とし。
茜色の空が汽車を染めます。
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やがて夜が落ちてきて、今日の日はさようなら。
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時間は回送列車とともにここを離れ、
水たまりは無音の闇を映します。
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パンケ沼のほとりにある野鳥観察小屋を、ちょいと失敬して今夜の宿。
遅い夕食、人口密度 0.1 の夜。
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せまい小屋の中にランタンのゴォーという燃焼音が響きます。
ひとりの夜にはとても心強い。


ランタンを消してシュラフにもぐり込むと、一瞬にして暗闇と沈黙が支配する世界が訪れます。


窓の外からときおり聞こえてくる水鳥の羽音が、かろうじてぼくをこの世界につなぎ止めてくれているようで、どんな鳥なんだろうかと想像していたら、いつの間にか眠っていました。

投稿者 hamayo : 20:05 | コメント (3) | トラックバック

2006年10月 1日

最北の鉄路、宗谷本線 (1)

 
9月後半の連休、道南方面、おもに八雲周辺へ行く計画を立てていたんだけど、前夜の天気図をみて急遽道北行きに変更。
1週間かけて練り上げた計画はぜんぶパァになったものの、これも一つの運命。
とりえず北へ。


道央道は着々と延線され、いまや小樽から士別剣淵ICまでハイウェイで走れます。
時代は変わりました。


士別というと一般的にはもう道北エリアですが、まだまだ旭川の経済圏ですし、このさき名寄や美深といった都市があるので、気分としては「道北に来たなぁ」という感じは薄いです。


感覚的にも、地勢的にも、音威子府をすぎた辺りから、いよいよ道北の雰囲気が濃くなってきます。


鮮烈な青を映しつつ、大森林の間を縫って流れる天塩川。
北海道3大河川のなかで最も野性的な川です。
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天塩川に架かる橋を渡ると、宗谷本線 筬島駅、あたりは見渡すかぎり、森と山。
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駅のノートには、多くの旅人たちの思いが綴られていました。
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「これから森に入ります」
汽車であれ、車であれ、徒歩であれ、ここよりさらに北へ向かう旅人の、強い気持ちがこめられた言葉です。


列車が陽炎に揺らぐくらい、日差しにはまだ夏の勢いが残るものの、落ちる影は黒く長く。
ぐずぐすしてると秋の陽は短い。
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そしてぼくも、筬島駅をあとにして、北へ向かいます。

投稿者 hamayo : 13:21 | コメント (4) | トラックバック

2006年8月18日

1ヶ月ぶりの雨

 
とにかく降らなかった。
今年の夏の小樽は、とことん寡雨でした。


曇りの日さえあったかどうか。
日照時間が 1時間未満になったのは、前回 1mm以上の降雨があった 7月18日のことで、それ以来ずっと晴れっぱなし照りっぱなしの1ヶ月でした。


そんなわけで 1ヶ月ぶりの降雨なのですが、沿海州上空から日本海へは寒気が流れ込み、南からは熱帯低気圧からの暑く湿った空気が入り込み、北海道付近で前線が猛烈に発達しそうな雰囲気で、この1ヶ月間の寡雨を一気に取り戻す勢いの雨が降りそうです。


エノコログサの水花火
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雨のやみまに橋を渡る
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投稿者 hamayo : 20:56 | コメント (2) | トラックバック

2006年7月 5日

鉄の跡

 
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夏草にうずもれて、いずれ地面と同化してしまうのでしょうか。
それでもこうして花に囲まれて、明るい季節がめぐってくるならば、役目を終えても取り払われず、朽ち果てるのを待つ人生、それも悪くないかな。
 
 
 
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なにを意味するものなのかまるで分からないけど、線路のアイデンティティーの印のようでもあり、線路にも自我があるのではないかと思わせる力強い文字列が、誇らしげに記されていました。

投稿者 hamayo : 22:19 | コメント (2) | トラックバック

2006年2月25日

2月25日は何の日?

今週は寒気の南下もなく、850hPa の 0度線が北海道南岸に掛かる日もあるくらいで、ほんのいっときだけど春を感じさせる陽気となりました。


林の中で、雪を割ってエゾアジサイの新芽が顔をのぞかせているのを発見。
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すぐそばで、昨年の夏の名残、アジサイのドライフラワーも。
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明日後半には寒気の中心が北海道を通過。
ふたたび冬に逆戻りしそうです。


この季節、三寒四温と人はいうけど、ここ北海道で「温」と感じるのはせいぜい一日限り。
以前より長くなった昼の時間に、光の春を感じる 2月25日。


今日は、小樽の平年での積雪量が、減少に転ずる境界日。
これで、気温、日照時間、降雪量、積雪量、すべてが冬の頂点を越えました。


春になったらどんなことをしようか、いっぱい計画を練りつつ、もう少しの我慢です。

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2005年11月 6日

きいろい風景

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黄色くて、きいろくて、あんまり美しい黄色だったから、息を止めて写真を撮りました。

投稿者 hamayo : 19:34 | コメント (3) | トラックバック